予言と預言と神託と

　予言、預言、神託、これらはすべて違う意味をもつ言葉ですが、最近はごちゃまぜに使われている事が多いようです。

　予言とは、未来を予想した言葉です。星占いなどの、「今日のあなたの運勢」などはこの予言になります。占い師が語る未来も、通常はこの予言になります。未来の事を先に言葉にしておき、結果的にあれが正しい予言たったという結果が必要になります。ただし外れた場合は、もちろん予言ではなかったことになります。

　そして預言とは、神様の言葉を聞いた人が、他の人に伝えた神様の言葉のことです。ユダヤ教では、キリストが生まれる以前の旧約聖書の言葉を伝えた者が預言者で、キリスト教でも、キリストは神の子そのものですから、キリストの言葉は預言ではありません。イスラム教になると、キリストも預言者の一人となり、イスラム教の教えを広めたムハンマドも預言者です。この三大宗教は唯一神ですから、誰が預言者かははっきりしています。ですがもちろん、いろんな宗教があっていろんな神様が世界にはいるわけですから、自称預言者も存在しますし、新興宗教などでは教祖が預言者であることも多くなっています。占い師などが預言者を名乗れば、その占い師は神様の言葉を聞ける人ということになりますね。

　神託とは、神様の言葉を伝える言葉ですから、神託を告げる人は預言者と同じようなものだと感じるかもしれません。ですが神託は、神様にお伺いを立てて答えを聞くことですから、神様が自分の意思で伝えた言葉を伝える人が預言者、質問に答えてくれるのが神託と言えます。